名女優さん　＊＊＊

樹木希林さんが逝去されてTVのワイドショーでは彼女の珍しい結婚生活のことをことを特集したりしていましたね。

結婚して子供までいたのにたった2年にも満たずに別居して30年だか40年だか。寂しい時、不安な時が多々あったんでは？と推測してしまう。

何かのインタビューをされて「あらそう。楽しそうに見える？」と答えられていたとき、そのあと「実はこれでも寂しいのよ」と続くのかと思ったらそうではなく、次のような答えだった。

「あのね、人と比べないことよ。」　＊＊＊

結婚し夫婦一緒に住んで子供を育てるという「普通」と比べたら結婚して子供もいるのにパートナーが家に帰ってこないという状況は「不幸」という位置づけだろう。

そこで「私は不幸だ」「はぁ、なんて寂しい人生なんだろう」と思ってしまうと、何もする気がなくなり、周りからみてもいかにも不幸オーラをまとっているように見えてしまうだろうけど、「私の場合はこういった結婚生活なのか」と受け止めれば、それは特に不幸というわけではなく、単なるひとつのカテゴリ、一形態になる。

マウンティングにしても、実際何かについて優劣をつけてしまうのは多分人間の性分として仕方がないかもしれないけど、「で？」とその先を考えてみると、ある基準で下位になってもそれが不幸とは限らない。

ある基準で「普通」ということから外れた場合、例えば子供ができない人が「友達は普通に子供ができているのに自分はその普通のことができない」と思ってしまったり、あるいはマウンティングで数十年ぶりの同窓会で会ったクラスメイトが大企業の幹部になっていて「それに比べて自分は…」と人生の差を感じたりしてしまうことは実際あるだろう。

比較によって自分で不幸オーラをまとってしまう。

逆に「彼女（彼）はそうなのね。自分はこうだよ。」と切り分ければ、“幸せor不幸”ではなくなる。

人間の性分として、つい咄嗟に幸/不幸を感じてしまっても、一旦それを受け止めてカテゴリ分けすれば、不幸オーラをまとったままにならなくて済みそうですね。

とりあえず何かの基準と比較してみるためのツール　＊＊＊

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